あなたの「ローン特約」大丈夫ですか?

住宅を購入される場合、金融機関からの融資(住宅ローン)を前提として不動産売買契約を締結する事が一般的ですが、予定していたローンが不承認になると、残念ながら不動産の購入ができなくなる可能性が大きいですので、売買契約書の条項に「金融機関の住宅ローンが不承認となった場合は売買契約を白紙に戻すことができる」という特約を盛り込んでいます。これを「ローン特約」といいます。

この「ローン特約」は売主と買主の間で合意があれば付加することができ、ローン特約により売買契約が解除となった場合には、売主は買主から既に支払われた金(手付金など)を無利息で返還するという取り決めですので、買主の万が一に備えた特約です。

しかし、このローン特約を良く理解していないと、怖い結果になる可能性がございますので、注意が必要です。

ローン特約には、3パターンございます。

「解除条件型」のローン特約(民法第127条第2項型特約)
条件が成就(ローンの否認)した時に、当然に売買契約の効力が消滅するという内容を定めた特約です。
◎ローンが否認された場合、売買契約の効力が消滅します。

「停止条件型」のローン特約(民法第127条第1項型特約)
条件が成就(ローンの承認)した時に、売買契約の効力が生じるという内容を定めた特約です。
◎ローンが承認されて初めて売買契約の効力が生じます。

上記の「解除条件型」と「停止条件型」のローン特約は、買主は何らの意思表示をするまでもなく自動的に契約が白紙になるものです

これに対し、「解除権留保型」のローン特約というのは、買主に「契約を解除する権利」を与えるものです。
この「解除権留保型」、買主に契約を解除する権利を与えているのですが、十分注意が必要です。

ローンの融資が得られないときは解除期限の日までは買主は違約とならずに契約を解除できますが、買主は、契約を解除する場合は改めて解除の意思表示が必要です。
買主が金融機関から融資の否認の通知を受けたことを媒介業者に伝えただけでは、解除の効果は生じません。
解除期限の日が定められていると、解除期限の日の経過により、買主は解除することができなくなります。
勿論手付金も戻ってきませんし、契約解除期限を徒過したということで、違約金の請求問題にまで発展することがございますので、注意が必要です!!

恥ずかしい話、実際の媒介業務においても、その媒介業者への連絡をもって解除の意思表示をしたと思っていらっしゃる買主様も少なくないですし、連絡を受けた媒介業者の方も、それを売主側の媒介業者に伝えるだけで、解除できたものと思いこんでいる媒介業者さんも無いとは言えません。

解除権留保型については解除の意思表示がなされない限り契約は有効のままですので、配達証明付き内容証明郵便で解除通知を送る事をお勧めいたします。

解除期限を忘れずに!!

いい家に出会えますように!